最初娘に会った時に、思い切り人見知りをされ、ギャン泣きされ、思い切り尻込みしておどおどしていたのがたった数週間前。
旦那は今では見違えるほどにイクメンと化し、抜群の温度のミルクを作り、うんちのおむつを替え、離乳食を作り食べさせ、お風呂に入れて体を拭きクリームを塗る。
シンガポールで自営業なので、時間の融通はそれなりにきくにしても、彼の育児参加率はほぼ100パーセント。
一番苦戦していた「夜の寝かしつけ」も昨日とうとう成功し、これで怖いもの知らず、母親の私の存在感が日々危うくなってきた。
旦那には、常日頃感謝の気持ちを忘れないように、「ありがとう」と声に出して伝えるようにはしている。
昨日娘の寝かしつけを成功させたイクメン旦那に「本当の本当にいつもありがとうね。」と伝えると、旦那は切れた。
ありがとう、ありがとう、って、僕は君のアシスタントでも、メイドでもないんだ。僕は娘のたった1人の父親であって、母親の君ができることを僕がするのは「あたりまえ」のことでしかないんだ。と。
ちょっとした混乱と、感動で声がでない私に、
君は約1年の間、好きなお酒をがまんして、こんな大変な時期にお腹の中で娘を育て、お腹を切って産んだんだ。それは女性しかできないことだから仕方ないけど、僕はこれからどんなに娘と関わろうとも、出産にはかなわないんだ。だから僕に感謝をする必要なんてこれっぽっちもない。と。
私が男子学生だったら、そのまま旦那をベッドに押し倒していたであろう。それほどまでに、嬉しかった。
慣れない育児で大変な毎日で、自然とささくれていた心が途端に潤った。
今までデブだとか言って、軽く無能扱いしていた旦那に心の中で詫び、そしてこんなに素敵な人を生涯のパートナーとして選んだ自分の見る目の良さを称え、娘にも絶対に旦那のような人を選んでほしいと心から思った。
そして、ふと、こういう考えの持ち主は、「イクメン」と呼ばれることを嫌うのではないか、と思い、日本は育児をする男性をイクメンと呼ぶんだよ、イタリア人の旦那に教えてみた。
「イクメン」という言葉は、てっきり当時のギャルが流行らせたと思っていたら、驚いたことに、2010年に厚生労働大臣が発した言葉だった。
イクメンの定義とは
育児休業を取ったり、育児に積極的に参加することで、育児を通して自分も成長したいと思う男性、もしくは将来的にはそうありたいと願っている男性
これを旦那に教えたところ、「育児をする女性のことはなんと呼ぶんだ。イクウォーマンとでも呼ぶのか。」と聞いてきたので、「ないよ。男性だけ。」と教えると、ぎろりと私をにらみつけ「全くふざけている。」とイクメンの定義を全否定した。
イクメンの定義を聞いていると、まるで女性が子育てをするのが当たり前のようじゃないか、育児を通して自分も成長したい?そんな子育ては夢見がちなのか、女性はそんなことを考える余裕がないんじゃないのか、と旦那は立て続けにイクメン定義を否定し、最後には、日本は一生貧しい発展途上国だ、と日本を全否定して締めくくった。
確かに、男性が育児をすると、「男の人なのに育児に関わっていてすごいですね。」となる、その社会性自体が根本的に違うはずなのだ。
育児の主導権は母親にあるわけではなく、家族として父親と母親が、一緒に子供を育てていく、それが根本にあれば、それだけでいいはずなのに。
果たしてそんな考えは、美談にしかならないのだろうか。
コメント
素敵な旦那さんですね。
うちのは、息子が赤ちゃんの時、昼寝担当でした。
とは言っても、寝かせるではなく、横で寝るだけ。。。
離乳食をあげながら自分も食事をとっていた時、主人に、マヨネーズとって。と言われたのには、流石に切れました!
だって、マヨネーズは冷蔵庫の中にあって、彼の方が近かったのですよ。
外国籍の男性はその辺協力的だと思っていたイメージがガラガラ崩れましたね。。
息子も将来そうならないように祈るばかりです(笑。
id:mikomiko85
Mikoさん、
コメントありがとうございます。旦那さんのマヨネーズのお話がおもしろくて笑ってしまいました(笑)
Mikoさんも国際結婚なのでしょうか。
あんなにかっこいいこと言った次の日には驚くほど何もしなかったりですが。。がんばろうとはしています。