日本の北海道の田舎町で、還暦を迎えた両親と、晩婚高齢出産の私とで4か月半まで育てられた娘は、さぞかし日本流で育ったのだろう。
シンガポールで隔離生活を経て、旦那の前で思い切り人見知りをしギャン泣きした娘。困り果てる旦那を見て、私の中では「さあ、私が育児の先輩となって、この男に育児のノウハウを教え込まなきゃな。」と張り切っていたけれど。
実際はそんなに甘くはなかった。
赤ちゃんのお風呂のお湯の温度
まず意見が食い違ったのが、赤ちゃんのお風呂の温度。日本では、夏場は38度、冬場は40度のお湯に入れましょう、とされており、赤ちゃんのお風呂の温度を測る温度計にも、目安が記されている。
私が日本で調整していたお風呂の温度設定でベビーバスのお湯加減を調整していたとき。
さっとお湯に手を入れた旦那は、「熱すぎる気がする。」と言ってイタリア語で赤ちゃんのお湯の温度をネットで調べ、「36度から37度に設定するべきだ。それ以上の温度にすると赤ちゃんの肌に悪い。」と、思い切り育児の先輩の私を否定してきた。
「日本では38度から40度のお湯設定だ。」と言っても、「僕も娘の父親だ。僕の意見も聞き入れるべきだ。」と言って盾突いてくる。
結局、毎日お湯の温度を微妙に変えて、娘が気持ちよさそうな温度を見つけよう、という結論に達したのだが、36度のお湯に入れた日には、まさかのうっとりと気持ちよさそうな顔を見せた。
旦那のドヤ顔は思い返すだけで腹立たしい。
そういや、シンガポールにきて隔離ホテルで1人で娘をお風呂に入れている時、私は毎日熱めのお湯で娘をお風呂に入れていたけど。そういや修行僧のようにじっと耐えてるような顔をしてたではないか。
シンガポールは確かに暑いけれど、家の中はクーラーをがんがんかけるので、むしろ冬の北海道の家の中よりも寒い。
それを考慮して、そして私が熱いお湯でお風呂に入るのが好きなのもあり、娘をいつも設定温度高めの40度のお湯でお風呂に入れていたけど。
今、ぬるめのお風呂に入れるようになって、足をバタバタさせて笑顔をみせる。
赤ちゃんをお風呂に毎日入れるべきではない
旦那に感謝の気持ちを持っていたのもつかの間、今度は「お風呂に毎日入れるべきではない。赤ちゃんの肌が乾燥する。」と、またイタリアの育児論を持ち出してきた。
これは、アメリカに住んでる友達に聞いていたことでもあるけれど、日本では「赤ちゃんは大人よりも汗をかくので、毎日お風呂に入れてあげましょう。」というのが基本じゃない?こんなに蒸し暑いシンガポールで汗かくし、毎日お風呂に入れてあげたい。
何よりも毎日だいたい同じ時間帯にお風呂い入れることによって、生活のルーティンができて、寝る時間も定まる、っていうじゃない?
それを伝えると、「赤ちゃんの寝る時間が定まるよりも、娘の肌のうるおいを保つことが親の使命だ。娘を君のようなガサガサの肌にしたくない。」と。
小さい時アトピー性皮膚炎だった私にむかって、君のような肌にしたくないとか。むかつくけれど。
これについては、室内にずっといて汗をあまりかいてない日は、1日おき、汗をかいたような日は毎日、という風に決まった。
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たった1度のお風呂のお湯加減でこんなに揉めるのであれば、離乳食がはじまるときはどうなることやら、と心配していた矢先。
次はグルメの国イタリアと、美食の国日本の離乳食をめぐるバトルがはじまるのである。
続く。
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