カフェにいたスーツを着て刈り上げの女性のところに娘が歩いていき、Are you a girl or a boy?と聞いた。カフェ内に緊張が走る中、その方はI am a girl,but I want to be a boy.と笑いながら言って、娘にも同じ質問をした。娘はI am a girl but I want to be a princessと言って→
— Cocoa@シンガポール?? (@CocoaSingapore) May 31, 2024
先日娘とカフェに行くと、若い女性と、そのレズビアンカップルと思われる女性がいた。
髪は刈り上げたベリーベリーショート。ぴちっとした男性っぽいスーツを着た、小柄な女性。
シンガポールでは、珍しくない光景に、私はただ彼女たちの横を通り過ぎようとした。
娘はカップルのことを不思議そうに見ている。
「こっちにおいで。」と娘をうながすも、カップルの横で足をとめ、???の顔をしている娘。
カップルが娘に気づき、ほほえんでくれたその時。
「Are you a girl, or a boy?」と娘は、スーツを着たその女性に聞いた。素朴な、疑問を投げかけたのだろう。
カフェにいたほかの客が、軽く息を飲んだ瞬間。私も、どうしようと思い冷や汗をかいたとき。
女性は、笑いながら「Good Question! I am a girl, but I want to be a boy」(いい質問ね。私は女だけど、男になりたいの)といった。
そして娘に、おどけた口調で、「Are you a girl, or a boy?」と、娘がした質問を、娘にした。
娘は、「I am a girl, but I want to be a Princess!」(私は女の子だけど、プリンセスになりたいの!)と元気よく答えた。
そこで、音はしなくとも、カフェ全体の空気が一気になごむのを感じた。そこら中から、「She is so cute」と娘が言われ、カフェの客たちは笑顔で娘を見た。
スーツの女性は、「You are already a Princess!」(あなたはもうすでにプリンセスじゃないの!」といい、手をかかげる。
その手に、パンっと娘がハイタッチ。
リアクションに困り、さっきからずっと、棒立ちで突っ立ってる私に、スーツの女性は「She is soooo cute」と笑った。
私はなにをするのが正解?
彼女に、娘が変なことを聞いてすみませんというのが正しい?娘に、そんなこと聞いちゃだめよ、というのが正しい?
わからない。
私は「Thank you」と言い、笑った。
カフェの帰り、娘が「ママ、あの人優しかったね、かっこよかったね。」と言った。
娘が素直に疑問をなげかけて、それに対してユーモアをもって、優しく接してくれた彼女のおかげで、娘は多様性を知り、そして受け入れた。
正解なんてわからないけど、それでいい。
娘の見る世界が、また広がった。
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