シンガポールで現地採用で働くまでの道のり①

ひとりごと

外資系企業から日系企業に転職

Once upon a time あれは2014年の頃、私は31歳で、独身。

外資の銀行で4年働き、大きなプロジェクトに終わりが見えた頃、大手での競争社会と成しあがっていくことの難しさから転職活動を始めて、日系のIT会社に転職を決めた。

規模は200名ほどの会社だけど、部内に英語が話せる人がいないので、海外出張に行ける、というのが決め手になり入社。

夢の海外出張~、と私はうきうきだった。海外に住んで仕事はしたいというのは常に思っていたけど、海外出張の多い仕事でバリバリ働くのもいい。

入社初日

そうしてむかえた入社初日。うきうきと出社してすぐに案内された先が、社内大会議場。

社員全員が揃う中で、朝礼がはじまる。

この時点で、長年外資企業で、出社時間さえも適当だった私はショックをうけたのだけど。

おはようございます、と言う副社長の声に続き、総勢200名の社員が「おはようございます!!」と声をあげる。

「じゃあ今日の朝礼は。。。。田中君にやってもらおうじゃないか。」と副社長が言うと、社員達の拍手の嵐と「がんばれ田中!がんばれ~!」「ちゃんとやれよー」などと歓声が。

一体これから田中は何をはじめるのだ、と戸惑っていると、

田中は誇らしげに前に出て、副社長の横に並び「副社長さん、あらためましておはようございます!」と大きな礼をした。

そして、「みなさん、あらためまして、おはようございます!!!!!!!」と再度どでかい声であいさつと、深々と礼をした。

みんなも割れんばかりの大声でおはようございますを叫び、200名が同時に礼をする。

田中は大きく息を吸い、

「いち!会社員として、あいさつはきちんと!」と田中が言い、社員達があとに続く。

「に!時間厳守でお客様をたいせつに!」と田中が言い、社員達があとに続く。

田中が社訓を読み上げ、社員達が後に続くというのをしばらく続け、最後に田中は副社長に連絡事項はあるかを確認し、ないことを確認した後

「本日も一日、みなさんがんばりましょう!!!」と叫んで、みんなで割れんばかりの拍手をして、それぞれの職場に戻った。

正確な社訓の内容は忘れたが、つまりこの会社では、副社長に選ばれし社員が、社訓を読み上げ、他の社員があとに続くこのバカげた茶番劇を、毎朝おこなっているようなのだ。

入社先はブラック企業

朝礼が終わり、私が呆然としているところで部長が、「明日までにとりあえず社訓覚えておいて。」と言った。

私は、なんかここ、ブラック企業っぽくね?と思いながら、力なく「はい」と答えた。

つづく。。

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Cocoaプロフィール
cocoasan

2014年、旅行でたまたま訪れたシンガポールに魅了され、32歳で現地採用の銀行員としてシンガポールに移住しました。現在は、フィットネスジムを経営する夫を手伝いながら、シンガポールで子育てをしています。

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