生後1か月をすぎたあたりから、我が子が豹変した。
夜中に寝ない。まるで夜行動物のように、昼に寝て、夜に起きる。
我が子が夜中に寝ないことは、私も夜中に寝ないことを意味し、ああ、これが「育児は本当に大変。」という気持ちなのか、と実感する毎日だ。
では、何故「大変」と思ってしまうのか、眠れぬ夜に4キロの人間を抱え考えてみた。
夜に寝むれないことだけを「大変」というのであれば、そんなことはしょっちゅうあった。仕事を家に持ち帰り、夜な夜な仕事を片付けた日々は、大変ではなかったか。確かに大変だったけど、つらかったかもしれないけど、育児の「心が折れそうになる大変さ」とは全く違う。
私が全力で我が子が心地よくなるように気を使っても、それを全力ではねのけられ、全力で泣かれることがこんなにもつらく、心おれることだとは。
たぶん、「つらい」とか、「大変だ」とか、心折れそうになる時は、100パーセントの力でがんばり、愛情を注いでも、それが報われないときに起こる感情なのではないか、と思う。
夜な夜な仕事をし、眠れぬ夜が続いたあの頃、がんばれば報われる、という思いが潜在的にあった。
夜な夜なおむつを替え、ミルクを与え、ぐずり続ける我が子をあやし続ける行為は、誰かが認め、たたえてくれるだろうか。がんばっても報われない、という潜在的な思いが心にダメージを与えるのだ。
眠れぬ夜が続くぼやけた頭で、そんなことを、考えた。
コメント