父親と娘の関係性~一生片思い

シンガポール子育て

父親と娘の、微妙な関係性が好きだ。

母親なんて、子供が産まれる前からお腹の中で育て、産まれてからは朝から晩まで24時間稼働で赤ちゃんを生かすために生きる。

肉体的にも精神的にも母親は、常に息子娘に付きまとう。だから母親と子の関係性なんて、繋がりが強くて当たり前だと思っている。

それに比べて、父親の役割と言ったらどうだろう。どんなに頑張って子と関わろうとしたって、母親にはかなわない。

私の旦那は、自分の娘が5か月の時に初めて対面した。それまで妻の中で動く赤ん坊の胎動も感じたことはなく、出産にも立ち会えず、子が産まれて嬉しい反面実感が全くなく、娘との生活の初めの一歩ではギャン泣きされた。

旦那が娘と離れ離れだった時の話は↓

4か月の娘が、まだ会ったことのない父親に人見知りをする
娘の人見知りがはじまってから数週間。最近では、まだ見ぬ娘と会えるのを今か今かと心待ちにしている旦那と、ビデオ電話するのがつらい。 娘はそのたびに、またこいつか、というしかめっ面をしたあと、ぎゃーっと泣き、のけぞるから。 そして先日から、相当

旦那が父になった話は↓

明日旦那は父になる
ある意味帝王切開で娘を産む前よりも緊張する。旦那が、4か月半になった我が娘に会う瞬間の、その前日になって。 私自身が母になる前に想いを綴った記事は↓ 人と関わることが大好きで、空回りばかりしてきた不器用だけど心優しい男が、女の子の父親になる

喜びよりも不安。嬉しさよりも責任がどっしりとのしかかり、困惑気味だった旦那。夜に何度も起きる娘に、どこか悪いのではないのだろうかとおろおろし、娘がうんちをするとくさいくさいと取り乱していた人。

今では、娘がうんちをして、私がオムツを替えていると、サッとあらわれ「僕がおしりを拭くよ。君の拭き方は雑だからね。」と、かぶれるのではないかというくらい、娘のお尻をぴかぴかに拭く。

娘が産まれる前は、「男の子ようだけど、知り合いからおさがりでもらった服たくさんあるから服は買わないよ。」と言っていたくせに、「女の子らしい服を着せないとかわいそうだ。」と女の子用ドレスを大量に買う。

娘が泣けば風のようにかけつけ、娘に笑いかけられるととろけるチーズのようになっている。

仕事人間だった彼は、何かつにけて「今日は仕事行かなくていいか。」と、家にいようとし、娘が寝たあとは、疲れてる私に「娘の将来について」話し合おうと提案してくる。

旦那の娘への愛をみていると、私のことを大好きで仕方のない父親のことを思い出す。

あの時パパにあんなこと言ってしまって悪かったな、とか、もっと優しくしてあげればよかったな、とか自分なりに父親との関係の中で後悔していることはあるけれど、旦那と娘を見て確信する。

父は、私に好きになってもらおうとか、自分にもっと優しくしてほしいとか、そんなことは微塵も思っていない。

ただ、私に幸せになってもらいたくて、自分にできる最大限のことをしてきたんだ。

旦那に、「どんなに娘を愛したって、思春期がきたら嫌われるんだよ。パパといるの恥ずかしいとか、友達のお父さんのほうがいい、とか、ありとあらゆるネガティブなことを言って、あんたを困らせてくるんだよ。」と脅してみた。

「そんなことはない。娘は僕をずっと頼り、なんでも相談してくるんだ。」とむきになって言ってたけど。

どんなに娘にうざがられる時がこようとも、嫌われる時がこようとも、娘が悪いことしてつかまろうが、変な男に引っかかろうが、生意気いおうがおばさんになろうが、一ミリも揺るがない愛情で、娘のためを想うのだろう。

一生の片想いを、続けるんだろう。

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Cocoaプロフィール
cocoasan

2014年、旅行でたまたま訪れたシンガポールに魅了され、32歳で現地採用の銀行員としてシンガポールに移住しました。現在は、フィットネスジムを経営する夫を手伝いながら、シンガポールで子育てをしています。

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