ツイッターで何気なく投稿した、私のことを日本人だと気づかずに、日本人夫婦に好き勝手言われたという話が、思いもよらずに反響をよんだので、調子に乗って一部始終を書いてみる。
今朝カフェで隣に座った日本人家族が、私のことを日本人だと思わず、うちの旦那の年齢を予想したり、娘のことをハーフは今はかわいいけどそのうちかわいくなくなるとか言いたい放題。最後まで知らん顔して帰るときに「ちなみにうちの旦那は40歳ですよ。良い週末を」って言って出てきた。びっくりしてた
— Cocoa@シンガポール在住組 (@CocoaSingapore) November 21, 2021
それでは、本編大公開、ノーカット版をどうぞ。
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シンガポールで家族でブランチをとりながら、いつもの週末を楽しんでいた時。
隣の席に、日本人家族(20代であろう夫婦に、2歳くらいの子供)が座った。
髪型や服装がおしゃれな若々しい夫婦。最近シンガポールに来たのではないかと私に予測されるくらい、家族は「日本」の雰囲気をかもしだしている。
私は自分の娘に、夫婦の子供に手を振らせたりして、「あとで、お子さん何歳ですかー」くらいの会話を交わしてみようかな、などと思っていた。
そんな私のことを、彼らはガン無視しながら、「ねえねえ、なんかシンガポールってやっぱり白人多いね。」と奥さんが旦那に言い、彼らの世界での会話がはじまったので、私はあきらめ、すぐ隣から聞こえてくる日本語をBGMにしながら、楽しくブランチをしていたその時。
「あのハーフ、まじかわいい。ハーフ産むためだけに外人と結婚するのもあり。」と奥さんが、うちの娘の方を見ながら言ったので、私は幾分か得意げになりながら、食事をとっていた。
すると旦那が、自分の妻をなぐさめるためか「でも、ハーフって子供の時はかわいいけど、大人になるとみんなかわいくなくなるよ。」と言った。
すると奥さんは、大笑いしながら「そうそう、顔はかわいくても太るんだよね。」と旦那に激しく賛同し、2人でうちの旦那をちらりと見てまた笑った。
それを聞いた瞬間、私は彼らを迎え撃つ準備を始める。
全神経を集中し、彼らの会話の聞き取り調査に。
一瞬、旦那に、この日本人カップルの会話を教えようかとも思ったけど、伝えてしまうとそこで黙ってる人じゃない。
すぐに割って入り、「なにこの太った白人~」というリアクションをとられるだけだ。
私は1人で、この状況をうけいれる決断をする。
その後、「アメリカ人は人口の90%が太ってる」とか、「アメリカの食生活ってやばいよね。」と、アメリカ人デブ説話に花を咲かせる夫婦。私の旦那はイタリア人だが、なぜかアメリカを連想されたらしい。
そうして、唐突に奥さんが「あの人何歳くらいなんだろうね。」と彼女の旦那に言った。
あの人、とはもちろん私の旦那のこと。
奥さんの旦那が「うーん、ごじゅう~」と40歳の誕生日を迎えたばかりのうちの旦那のことを、なんの疑問も抱かずに50代と予想。
結果、旦那さん52歳、奥さん50歳、という予想をされたうちの旦那に、このことを知らせたくてたまらなくなるけど、ぐっとこらえる。
その間にも、私の旦那は娘と遊びながら、楽しくおしゃべりをしているのが、気の毒でならない。
娘がぐずりはじめ、そろそろ帰ろうかとなった時。
私は平静を装い自分の旦那と会話をしながら、夫婦の会話は聞き逃さないように神経を集中させていたので、どっと疲れていたが、自分の中で覚悟を決めた。
ベビーカーを押して歩きはじめた私の旦那に、ちょっと待ってて、と手で合図をし、すぐ隣のテーブルに歩み寄る。
にっこりと微笑み、「こんにちは。暑いですね!」と夫婦に言った。
彼らは、日本人に見えない私に突然日本語で話しかけられ「ぎょっ」とする。
「ちなみに、うちの旦那の年齢は、50代じゃなくて40歳になったばかりですよ。」と言い、あはははと笑って見せた。
そして、「よい週末を!」と元気に言い放ち、くるりとうしろを向いた。隣でぽかんとしている私の旦那に、行くよ、と手で合図をして歩き出す私。
自分の中で、時はスローモーション、音楽はZARDの「負けないで」を流しながら、カフェを後にした。
帰りのタクシーで、旦那に何があったかを説明したところ、案の定彼は怒り狂い、「なんでもっと早く教えなかったんだー。引き返せ―。」と叫び、タクシーの運転手さえ怯えていたけど。それでいい。
あの日本人夫婦が、どんな顔をし、何を感じたかなんて、知ったこっちゃないけど。
世界には、色んな人がいるのは知ってるかい?
中国人にしか見えない私のような日本人が、どこにだって紛れているってこと。太った白人が、ハーフの子供が、当たり前のように存在する世界がこの世にあるってことを。
いつかわかればいいさ、若者よ。
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