娘が産まれてから、旦那に預けたり、母親に預けたり、ベビーシッターに預けたり、最近ではヘルパーが面倒をみてくれたりと、それなりに1人時間を確保してきて息抜きはしてきたほうだ。
ただ、一晩子供と離れるといったことは、娘が産まれてからただの1度もなかった。
まだ4歳にもならない子供だし、別に普通のことだとうけとめていたし、一晩くらい離れたいなあ、という願望さえもっていなかったけど、今回ひょんなことから、一晩離れることになった。
娘というよりも旦那。こいつがとてもむかつくために、1人で週末、1泊のステイケーションを急に決行した。
私が1晩家を空けたことがないのと同時に、旦那が1晩ずっと1人で娘といたことはない。
私は旦那と娘を2人きりで夜を過ごすことを心配し、旦那と娘は私がいないことを心配した。
なんせ前日の金曜日に、翌日土曜日に泊まるホテルを予約しようとするのだ。それなりのホテルはそれなり以上に高い。
一瞬ひるむけど、いいのだ。ノベナにあるシェラトンタワーという5つ星ホテルをSGD370朝食込みでサクッと予約した。
当日、1人で夜を過ごすホテル生活を快適にするために、私はネイルセットを持ち、美顔器を用意し、顔パックを用意した。気になっていた本をダウンロードした電子本を持ち、パソコンを持ち、音楽を聴くように小型スピーカーを持った。
チェックインは3時にできるのに、なんだかんだ娘と離れがたくて午後5時すぎに、家をでた。大荷物を持って、1人ででていく私を見て、娘はなにかを察して、泣いた。
シェラトンタワーホテルは、古びてはいるけど趣きがあって、老舗の高級ホテルといったかんじで、気に入った。
ホテルの部屋に入り、瞬時に手持ちぶさたになったけど、それと同時に、とてつもない開放感で、うきうきする。
さあ、今宵はなにをしましょうかね。
いつもの私ならさ、友人を招いて飲んでいたかもしれないし、いつもの私なら、酒を買って一人で飲みはじめただろう。
ただ、この時は断酒2週目に入った新しい私でもあったので、新しい私は、部屋の冷蔵庫に丁寧に入っていた冷え冷えのビールをわざわざ冷蔵庫の外に出し、ぬるくしておいて誘惑に負けないようにする、という荒業をためす。
そうしてオーチャードの街に繰り出し、ふらりと入った韓国のお店でトッポギをエクストラスパイシーで頼み、ホテルに帰ってきてからジムに行き、熱めのお湯をバスタブにたっぷりとためて、お湯につかった。
ネイルをしながら好きな音楽を聴き、その後はお菓子をぽりぽり食べながら小説を読んだ。
何度か娘は大丈夫かな?などと思ったけど、それよりも自由の謳歌が勝った。
時間を気にせず夜更かしし、1人でホテルのふわふわのベッドに入り、蹴飛ばされることもなく、ママ―と夜中に叫ばれることもないまま、私は静かな空間で、泥のように眠った。
朝を迎えてゆっくりと朝食をとり、家に帰ると、娘はあっさりと「あ、ママだ。」と言って、遊びに夢中だった。
少し拍子抜けしながら、旦那に昨夜のことを聞くと、いい子で楽だったとのこと。
ちっ。もっと大変だったらよかったのに。
夜はいつもよりもはやく、午後9時に「さあ寝る時間だよ」と娘が率先してパパを寝床にさそい、「パパはつかれてるから先に寝て」と、旦那はベッドに横にさせられ、娘にずっととんとんされてるうちに、先に寝てしまったそう。
朝7時に「パパ起きて」と娘が起こしてくれて、一緒に朝ごはんを食べに行ったらしい。
娘は私が不在の時、パパに甘えるのではなく、私の代わりを勤めようとしたのだろう。
私は、子育ての第一チャプターが、終了したことを実感した。
私が必死に世話をした赤子が、知らぬ間に意思をもった子供になっていた不思議。
娘のことは、何歳になっても変わらずに好きでいるけど、成長していく彼女との関係性は、彼女の成長過程と共に、調整していかなくては。
私がいなければ、この子はなにもできないなんて決して思わぬように。
そして、自分とも向き合いながら、やりたいことをしていかなければ。
これからも1人ぽっちステイケーションは、定期で続けていこう、と、ひっそりと心に決めた。
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